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知らざあ言って聞かせやしょう。

ただただダラダラ佇むダダイズム

そのバンドの名は。

dEUS live

俺は普段写真を撮ったりしている。ほぼ趣味程度だが予算に合わせて仕事でも撮影することもある。腕はよくないが一眼でそれっぽいのは撮影することができる。 

元々はフィルムカメラから俺のカメラ人生はスタートした。使い捨てカメラやお爺さんから貰ったチノン。そこからオールドカメラにハマりライカのコピーとして有名なゾルキーで撮影なんかしていた。ゾルキーはライカのLマウントも使える。しかしライカのレンズなど買える身分ではなかったので付属のIndustarを使用。

1950年頃のカメラなのでオート機能は一切ない。フルマニュアルでの撮影になる。もちろんピントも手動。面倒ではあるが、これがやってみるとなかなかおもしろいものだ。

今のデジカメのようにその場で確認できないが現像があがってくるのを待つのもとても楽しい時間だったなあ。

ちなみに余談だがはじめて買ったデジカメはカシオのQV-10。レンズがくるくる回るやつだ。

その後はオートでも撮影したいと思いEOS 55を購入して楽しんでいた。

俺はその当時よくライブハウスに足を運んでいた。誰が出るか分からないがとにかく時間と金があればライブハウスにいっていた。

その時にカメラを持っていったこともある。もちろん撮影OKの所だ。

ある時に1人のバンドマンが俺に話しかけてきた。

バンドマン「君写真やってるの?」

俺「はぃ

その時は極度の人見知りだったので早くどっか行ってくれと思っていた。しかしそう上手くはいかないものだ。

バンドマン「次俺らやるから撮ってくれない?」

俺「はぃ…

正直面倒だったのだけどもとりあえず頼まれたからには撮るかと。

バンドマン「ステージとか上がってもいいからね?」

俺「はぃ…

いやいや…あがり症だからステージとかマジ無理だわあ。

バンドマン「それじゃよろしく!」

俺「は…と返事をする前に笑顔でバンドマンは楽屋に消えていった。

写真は好きだけど頼まれて撮影するのとかはじめてだから急に緊張してきてしまった。ダメだ消えてなくなりたい。

もう帰ろうと思っているとガラガラのライブハウスに急に人が増えはじめてきた。

そして先程バンドマンがステージ上に現れ各自がセットしている。

するとライブハウスの照明が落ちてジャジャーンとギターの音がなる。

今度はスポットライトが付いた。

さっきのバンドマンはボーカルだったようだ。「みなさん今日も一緒にたのしみましょう!」と言って曲が始まった。

「いえぇ〜い!うわぁ〜!!!!きゃ〜」となるお客さん達。

俺「めっちゃ格好いい」

基本的に俺は小さいライブハウスにいっていた。音楽的な才能がゼロに近い俺がいうのもなんだがみんな始めたばかりで上手くはなかった。

だがこのバンドの音とライブパフォーマンスは今までと全然違うのは俺にでも分かった。

俺は必死に写真を撮り始めた。無我夢中で何枚も撮り、フィルムを交換しては撮影をし続けた。

ライブの終盤になり、喋り始めるボーカル。

「今日はありがとう」から始まり何かを話している。そんな所も撮影をしていたのだが、急にこんなことをボーカルがいいだした。

バンドマン「今日はカメラマンがいるけど邪魔だったら蹴るなり殴るなり投げ飛ばしていいぜwwいい写真撮れた?この後もよろしくぅっ。」

俺「

お客さん達が俺を見て「いえぇ〜い!うわぁ〜!!!!きゃ〜」

おそらく茹でダコのように真っ赤な顔をしていただろう、ものすごく恥ずかしかった。

その後少し話しまた曲が始まった。俺はかなり動揺していたのだけれども気を取り直した撮影を続けた。

ライブが終わるとバンドマン達は楽屋から出てきてお客さんと話しをしている。

俺は挨拶をして帰ろうと思い落ち着くのを待った。

30分位しても状況は変わらなかったので俺は挨拶は諦めて帰ろうとした。

するとバンドマンが気づき俺に近寄ってきた。

バンドマン「今日ありがとうね。いい写真撮れた?今度見せてよ。◯日に◯◯でライブやるからその日来れる?」

俺「はい

バンドマン「よかった。それじゃこれチケットね。よろしく

俺「はい……」と言ってお金を財布から出そうとすると

バンドマン「いいよ。お金いらないから。また撮影してよ。今日からうちのカメラマンだよ」

俺「いや……俺写真うまくないし……」

バンドマン「そんなの全然いいからwそれじゃ決まりね。とりあえず付いたら電話して」と番号の書いてある紙を渡された。

俺「はい

バンドマン「ほい。それじゃよろしくぅ」

なんか面倒なことになってきたと思いながらライブハウスを後にした。

次の日になり撮影した写真を現像にだした。出来上がるのは三日後。

ちゃんと撮れてるかなあ。あ〜あやっぱカメラマンとか面倒だなあ。でもモテたりするのかなあ。でも人前で喋れないしなあ……そんな無口な所が素敵。いやあ…そんなことはないない。

なんていう妄想が頭の中を駆け巡っていた。

三日経ち現像された写真を受取さっそく見てみる。

いい写真も何枚かる。でも半分以上は真っ暗だった……

こんなじゃ持っていけないかなあ……

ライブは既に一週間後。その一週間ずっと行くか行かないか悩んでいたなあ。

まあ結局は行くことになったのだけれども。

ライブ当日になり下北にいる俺。場所はCLUB Queだ。

バンドマンやライブファンには有名な場所である。俺は名前だけは聞いたことがあるが来たのは今回がはじめて。

まだ入場開始前だったがたくさん待ってる人がいる。とりあえず渡された番号に電話をしてみる。電話は苦手だったので三回位は鳴る前に切ったがねえ。

俺「もしもし俺ちゃんですけど……」

バンドマン「おう!着いた?それじゃ迎えにいくねえ。どこいる?」

俺「ビルの入り口のところです」

バンドマン「OKチーン!」

OKチーン……?まあとりあえず待ってみよう。

5分位すると知らない女性に声をかけられ裏口からCLUB Queに入ることになった。

着いた先は楽屋。あまり広くはないが大きな鏡に壁中にステッカーや落書きがある。いかにも楽屋らしい楽屋だった。

バンドマン「来てくれてありがとう。絶対こないと思ってたけどw」

俺「どうも……」来たらいけなかったのかな……真に受けた俺はバカなのか……

そんな風に思っていると

バンドマン「今日からうちのカメラマンだから。みんななかよくしてあげてねえ」

バンドマン一同「よろしく!!!」

俺「よろしくおねがいしま……」本当にカメラマンにされてしまった俺。大丈夫なのか。

前回の写真をとりあえず見せると

バンドマン「いいじゃんいいじゃん今日もこんな感じで」

俺「はい

そしてはじめてもらったスタッフパス。無敵になれた気がした。

バンドマン「よし!それじゃかんぱーい!!」といって酒を飲んだ。その後出番まで時間があるので楽屋を出て外で飲んだ。

俺はすでにぐでんぐでんに酔っていた。しかしみんな変わらない。よくこんなんで演奏とかできるんだなあ。というか俺は撮影できるのかなあ……

そこからの意識がほとんどない。

ハッと目が覚めたら先程の楽屋だった。時間は夜の11時ごろ。

やばい!と急に我に変えるが頭がフラフラする。

なんとか力を振り絞り楽屋から出ると賑やかな声が聞こえる。

ライブはすっかり終わりテーブルを出して打ち上げをしていた。

バンドマン「おっ起きた?」

バンドマン一同「www」

俺「すみません

バンドマン「いいよいいよ。ほい飲もうぜえ!」

俺「いやもう無理です

バンドマン一同「www」

こんな感じの俺のカメラマンデビュー。しかし驚くことに写真はちゃんと撮っていたようだ。まあかなりブレブレだったのはいうまでもないのだけれども。

こうしてその後もライブの時は毎回カメラマンとして共にすることになったのである。

ライブハウスの撮影ってけっこう難しいんだよね。でも段々コツがわかるようになってきた。照明の動きに合わせたりね。今でもライブハウスの撮影なら自信は少しあるかなあ。

このバンドというのはメジャーではないもののかなりの実力派バンドであったのだ。とにかく対バンも凄いメンツだった。

メジャーではないというのも何度かメジャーの話しを断っているのだ。俺が知るだけでも2回ほど。そんな所にロックを感じて俺はついていくことになったのだけれども。

その後はとにかくたくさんの写真を撮ったなあ。色んなライブハウスを回ったりして楽しかった。屋根裏やロフト。

そして俺は数々の凄い光景を目にすることになる。

カメラマンとしてではなく関係者としてライブ等に入れてもらったりも。打ち上げにも参加したり。

ミッシェル・ガン・エレファント、ハイスタ、ポリシックス、ゴイステ、ピローズ、レピッシュニューロティカジュンスカ(解散後)、奥田民生などなどその他多くのアーティストを近くに見て近くで音を聞くことができた。

俺が知り合いな訳ではないし今でも面識があるわけではない。ただその場にいただけなのだけれどもたくさんのエネルギーを感じることができた。これは俺の大きな財産の1つだ。

結構人生いろいろあったけど、こういう運だけは人一倍強い俺なのであ〜る!

バンド自体は今では休止中なのだけれども今でも各メンバーのライブの時は行かせていただいてますぞい。

そんでもって俺がカメラマンとして帯同していたバンドの名前なのだけれども。

俺「そのバンドの名は。」

 

まず今日はこれぎり!